自死を決める夢。かといって自分で死ねる気がしないので専門の業者に頼む。
1日で死なせるのは無理なので、両足を外す日と両腕を外す日、頭にとどめを刺す日に分かれるとのことだった。
初日はとりあえず両足を外してもらった。次の施術までともらった義足は妙に馴染んでほとんど生身と変わらない生活だった。
義足で歩きながら考える。今俺が死んだら。
妹と母はまともではいられないだろう。
だからやはり、死ぬのはやめようと思った。それは消極的な理由だけでなく、言い訳も含まれている気がした。
業者に電話をする。
足をやってもらったあとで申し訳ないけども、やっぱり生きることにしたから次の予約は結構です。
初日が両腕ではなく両足で良かった、と思った。